活動状況(年度別)

トップページ > 活動状況(年度別) > 活動状況(2010年度~2019年度) > ブラジル・ベラルーシより医師3名を受け入れ

活動状況(年度別)

ブラジル・ベラルーシより医師3名を受け入れ

ブラジルより2名,ベラルーシより1名の医師を受け入れ,放射線被曝者医療に関する研修を行いました。

受入研修生:

1.マリア・ヴェラ・クルス・デ・オリベイラ・カステラノ
 サンパウロ州立病院 呼吸器学 (ブラジル・サンパウロ)
 研修期間:平成25年(2013年)2月5日~2月22日

 

2.宮村アリセ
 サンタクルス病院 産婦人科 (ブラジル・サンパウロ)
 研修期間:平成25年(2013年)2月5日~2月28日

 

3.イーゴル・ラディエフスキー
 ブラスト地区病院 内視鏡外科 (ベラルーシ)
 研修期間:平成25年(2013年)2月5日~2月28日

 

※2月18日~22日の期間は,米国の医師3名と合同研修。

研修機関(研修日程順):

<共通プログラム>
 広島大学原爆放射線医科学研究所
 広島大学フェニックスリーダー育成プラグラム国際シンポジウム参加
 広島大学原爆放射線医科学研究所第3回国際シンポジウム参加
 広島大学病院(高度救命救急センター)
 広島原爆養護ホーム倉掛のぞみ園
 広島赤十字・原爆病院
 広島原爆障害対策協議会
 放射線影響研究所
 その他平和記念資料館ほか視察  

<個別プログラム>
 広島大学病院 産婦人科・・・研修生2 
 広島大学病院 消化器外科・・・研修生3

研修内容:

放射線被曝者医療研修

田代 聡・広島大学原爆放射線医科学研究所教授(左端)と

広島大学原爆放射線医科学研究所第3回国際シンポジウムの様子

シンポジウムを聴講するラディエフスキー医師(前列中央)

谷川 攻一・広島大学病院高度救命救急センター長(左端)と

鎌田七男・広島原爆被爆者援護事業団理事長に講義頂く

鎌田理事長の講義に耳を傾ける研修生たち

有田健一・広島赤十字・原爆病院呼吸器科部長(右)と

有田健一部長と別れの挨拶を交わす

佐々木英夫・広島原爆障害対策協議会 健康管理・増進センター所長(左端)と

放射線影響研究所での講義風景

田邊・広島大学病院第ニ消化器外科講師(左)とラディエフスキー医師

宮村医師(右から2番目)と,広島大学病院産婦人科の先生方(左から信実助教授,坂下医局長,江川先生)

林 奉権・放射線影響研究所分子疫学部副部長(右)より修了証を頂くカステラノ医師

田代 聡・広島大学原爆放射線医科学研究所教授(右)より修了証を頂く宮村医師

田代 聡・広島大学原爆放射線医科学研究所教授(右)より修了証を頂くラディエフスキー医師

所 感:

◆研修に参加するまでは,放射線の人体影響や被ばく者の治療法について多くの疑問がありましたが,HICARE研修は私の疑問に全て答えを出してくれました。ブラジルでは2基の原子炉が稼働しており,有名なゴイアニア被ばく事故が1987年に起こりました。放射線に対する恐れはあるものの,知識は十分とは言えません。 HICARE研修の講師の先生方や広島大学の放射線に関するシンポジウムで得た多くの知識を,今後ブラジルで,講義やシンポジウム開催等により広めて行きたいと考えています。 HICARE研修は,Peace(平和)は単なる言葉ではないと教えてくれました。“わたしたち”の世界の平和・安全の実現に向けて,皆が行動していかなければならないのだと感じました。

◆ブラジルには約120名の原爆被爆者が在住しており,私の勤務するサンタクルス病院では2012年に約40名の被爆者の健診を行いました。被爆者のお世話をさせていただく立場の医師として,被爆者の癌の罹患リスクや治療法,その他起こりうる問題について知っておくことは非常に重要です。放射線は病気の診断にも利用されるため,被ばく事故は原発だけでなく,放射線物質を扱う工場などでも起こり得ます。医師は一般的に,医科大学では専門的に放射線について学ぶことが重要であると考えます。 HICARE研修で多くの講義を受け,緊急被ばく時の救急医療サポート体制(情報共有,人材や医療資源の効率的な利用など)を知ることの重要性も痛感しました。 私は今回の研修で得た有意義な知識を,出来るだけ多くの人達と共有したいと考えています。

◆HICARE研修で有益な知識をたくさん得ることができました。これらの知識は,チェルノブイリ原発事故の被ばく者にみられる甲状腺癌,すい臓・肝臓癌,消化管癌の発症に関する私の今後の研究に役立つでしょう。一緒に行動したグループには様々な国の医師がおり,各国の医療についての情報交換が出来たことも,良い経験となりました。

 

放射線影響研究所で米国の医師らとともに