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エドゥアルド・ヤスシ・タナカ
日伯友好病院(サンパウロ) 医師(一般外科)
クラリス・ナナ・ヤマノウチ
スギサワ病院(クリチバ) 医師(腫瘍外科)
広島大学病院にて
田中信治教授(右) クラリス・ナナ・ヤマノウチ氏(中) エドゥアルド・ヤスシ・タナカ氏(左)
修了式
広島赤十字・原爆病院にて
土肥博雄HICARE会長(中)
【タナカ氏】
今回の研修はその成果が私自身もまだ想像できないほど,多くの面で有益なものでした。
重要なことは,原爆の犠牲者や被曝者である患者は,他の患者と異なる存在ではなく,特別な処置を欲していないという点を理解することだと感じました。
もちろん,病気の予防には多くの違いがある上,被曝自体は防ぐことさえ難しいものでしょう。しかし,治療については大きな違いはないものだと感じています。
私はこれまで,広島で起きた悲劇について実感を持っておりませんでした。私は,広島で起きた悲劇を二度と繰り返さないために核兵器を廃絶しようという人々の努力に大変な感銘を受けました。
広島大学病院という素晴らしい存在も忘れることはできません。
優秀な医師の方々は,海外からの医師を積極的に受け入れるだけでなく,先進国の大学病院においてどのように治療を行われているのかを見せてくださいました。
また,私事ではありますが,祖父母の祖国の文化に触れられたことは,大変貴重な体験となりました。
【ヤマノウチ氏】
研修はあらゆる面で重要なものとなりました。
このような機会をいただき,HICAREには厚く感謝いたします。
ブラジルに暮らす被爆者と接する仕事では,医学的な面に重点を置いてきました。しかしながら,研修を通じて,放射線そのものについてより詳しく知ることができました。
病気の予防や健康の増進などのプログラムは,行政機関がいかに大きな役割を担うのかということも学びました。
広島大学病院で学べたことは大変名誉なことと感謝しています。大学では健康に関連したさまざまな先進的技術を目にすることができました。
また,HICAREのおかげで,悲劇を乗り越え,町を築きあげた人々の歴史についても学ぶことができました。人々は8月6日を記憶し,痛みを分かち合い,悲劇が二度と繰り返されてはならないと示してくれました。
広島を訪れ,HICAREの仕事に触れた人々は,このメッセージを世界に広げて行くことでしょう。私も人々のメッセージをブラジルに持って帰りたいと思います。