活動状況(年度別)

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活動状況(年度別)

ラトビアより医師2名を受け入れ

 ラトビア共和国で,チェルノブイリ原発事故の被曝者支援のための研究等を行っている医師2名を受け入れ,放射線被曝者医療に関する研修を行いました。

受入研修生:

1.スベトラーナ・ラキーサ
  リガ・ストラディン大学 衛生学・職業性疾患研究室
  医師

2.タチアナ・ボグダノバ
  リガ・ストラディン大学,ポールスタラディン臨床大学病院
  助手および医師(病理学)

研修期間:

平成26年(2014年)1月14日~2月14日
※研修生2は他機関の研修生で,研修の一部(1月27日~31日)をHICAREで受け入れ。

研修機関(研修日程順):

放射線影響研究所
広島原爆養護ホーム倉掛のぞみ園
広島大学病院(高度救命救急センター)
広島赤十字・原爆病院
広島原爆障害対策協議会
広島大学原爆放射線医科学研究所
その他平和記念資料館ほか視察

研修内容:

放射線生物影響研修
疫学・統計学技術研修

放射線影響研究所にて。右より担当の放射線生物学/分子疫学部 林奉権副部長,韓国の研修生チェ医師,ラキーサ医師,ボグダノバ医師。

原爆養護ホーム倉掛のぞみ園 鎌田七男園長(中央)と

のぞみ園で華道クラブを体験

広島大学病院高度救命救急センター 谷川攻一教授(左端),廣橋伸之准教授(右端)と

広島赤十字・原爆病院呼吸器科 有田健一部長(右端)と

広島原爆障害対策協議会健康管理・増進センター 藤原佐枝子所長(中央)と

広島大学原爆放射線医科学研究所 稲葉俊哉所長(右端)と

お世話になった放射線影響研究所にて研修修了証授与式。大久保HICARE会長(放射線影響研究所理事長,中央),林副部長(右端)と。

所感:

 私の専門分野は労働安全衛生であるため,低線量被ばくの人体影響(放射線を扱う医師や看護師,空港保安官,飛行機の操縦士や乗務員など)に最も興味を抱いていました。しかし低線量被ばくの線量測定は,そのメカニズムがいまだ解明されていないため,非常に難しいことを知っていましたので,まずは広島の経験や,放射線影響研究所の研究に基づいた原爆放射線の人体影響を学びたいと思っていました。具体的には,免疫学,免疫ゲノム研究,放射線誘発のDNA・RNA損傷,癌と放射線の関係,実践的な分析法,使用されている機器やソフトウェア,疫学的分析など,出来る限り多くのことを学びたいと思っていたところ,研修を通じてほとんどすべてを学ぶことができ,大変感謝しております。
 帰国後は,研修で学んだ研究方法などを同僚と共有し,日本の職場環境だけでなく,正確さ,同僚への配慮などの仕事文化も取り入れたいと考えています。