活動状況(年度別)

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活動状況(年度別)

韓国・放射線被曝者医療研修団(医師等10名)を受け入れ

韓国原子力医学院(KIRAMS)及び国立緊急被曝者医療センター指定病院で緊急被曝医療に携わる医師等10人からなる研修団を受け入れ、放射線被曝者医療に関する研修を行いました。

受入団員名簿:

 氏 名所属機関役職等
団長チェ サンウク崔  翔旭東南放射線医科学研究所医師
団員ユン ジハン尹  智漢ソウル国立大学病院救命士
 オ フンスク吳  興淑忠北国立大学病院看護師長
 ヨ ドンスプ呂  東燮釜山機張病院事務職
 キム チャンテク金 昌済州漢拏総合病院放射線技師
 イ サンボン李  相奉慶尚国立大学病院放射線技師
 カン ノヒョン康  魯鉉忠南国立大学病院放射線技師
 チェ ドチュル崔  度喆全北国立大学病院技術者
 ナ ウォンギョン テレサ羅  元景韓国原子力医学院(KIRAMS研究員
 イ ドクチャン李  徳昌韓国原子力医学院(KIRAMS事務職

研修期間:

平成24年(2012年)9月25日~9月28日

研修機関(研修日程順):

放射線影響研究所 
広島大学病院(高度救命救急センター)
広島大学原爆放射線医科学研究所
広島原爆障害対策協議会
広島原爆養護ホーム倉掛のぞみ園
その他平和記念資料館ほか視察

 

研修内容:

放射線被曝者医療研修

放射線影響研究所 林奉権分子疫学部副部長(右端)の講義を受ける

広島大学病院高度救命救急センター 谷川攻一教授(左端)と

広島大学原爆放射線医科学研究所 神谷研二所長の講義

広島原爆障害対策協議会健康管理・増進センター 佐々木英夫所長(右端)の講義

広島原爆被爆者援護事業団 鎌田七男理事長(左端)の講義

所 感:

◆研修を通じ,今まで詳しく知らなかった事を,直接見て体験することで,核兵器の恐ろしさを肌で感じることが出来ました。広島はこれまで蓄積してきた知識に基づくデータベースを保有し,それらを被爆者治療といった目的に効果的に活用していることを知りました。今後も,この種の情報を,共有し続けて下さるようお願いします。

◆日頃疑問に思っていた被爆者の苦しみを肌で感じることができ,今後,積極的に導入しようとしている心のケアの重要性を再確認しました。今回得た知識を,韓国の国家緊急被ばく体制の発展のため,政府を説得する基礎資料として使うつもりです。

◆原爆の被害について多くを学びました。一国の問題ではなく,国を超えて全世界が痛みを理解する必要があると感じました。平和記念資料館で原爆投下当時の残酷な写真や展示物を見て,現在の平和で静かな広島になるまで,あらゆる苦難を克服し弛まず努力されたのだろうと思うと,胸が熱くなりました。

◆放射線の影響により発症しうる多様な疾病について,多方面で研究し,新しい技術を習得され,被爆者の健康管理をされている様子に驚きました。

◆福島原発事故時に生じた医療支援体制の問題点,患者や市民にどう対処すべきかを知ることができたので,このような内容について韓国内で情報を共有し,できるだけ災難に備えられるようにしていきたいです。

◆原子力は人類に必要なエネルギーであるかもしれません。しかし,このようなエネルギーの使い方を一つ間違えればどうなるのか,警戒心をしっかり学びました。そして実際に原爆が落とされた広島を訪れ,当時の惨劇と後遺症の状況,その後遺症をどのように治療しているのかがよく分かりました。

◆原発事故時に被害者や死亡者を出さないための対処法は何かについて考えさせられた研修でした。今後のあらゆる災害時の対処法,計画,訓練,準備,事後管理などはもちろん,特に病院での災害時の対策に大変役立つと思います。

◆今回得た知識を基に,放射線被ばくの防護について,職員向けに研修を行うつもりです。

◆訪問機関では,どの講師の先生方も,お忙しいにもかかわらず時間を割いて下さり,私たちの質問に予定時間を超過してまで親切,丁寧に答えて下さり,本当に感謝しております。