活動状況(年度別)

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活動状況(年度別)

ロシアから研究者1名を受入

 ロシアの放射線医学研究センターから研究者1名を受け入れ、(財)放射線影響研究所ほかで3か月間の研修を行いました。

受入研修生:

 放射線医学研究センター
上級研究員 アンナ・P・シンカルキナ

期間:

平成17(2005)年9月5日~11月24日

研修機関(研修日程順):

 (財)放射線影響研究所
 (財)広島原爆障害対策協議会
 広島大学原爆放射線医科学研究所

研修内容:

放射線生物影響研修

シンカルキナ氏(左から3番目)、江口研究員(左から2番目)、研究スタッフと

所感:

 大変有益な研修を受けさせていただき、私はHICAREに感謝を申し上げたいと思います。土肥会長、佐々木事務局長、すべての先生方が私のために講義をしてくださり、科学的、文化的なプログラムを計画してくださいましたことを心から感謝申し上げます。特に、(財)放射線影響研究所の錬石先生には厚くお礼を申し上げたいと思います。
 HICAREは私にとりまして完璧な研修を計画してくれました。試薬が必要な多くの実験を行う機会を得ることができました。広島と長崎の複数の研究所や病院を訪問し、放射線生物学、分子生物学、疫学の分野で有名な科学者や専門家の先生とお話をする機会をいただきました。
 私の研修の主要な受入機関である(財)放射線影響研究所が、研修生としての機会を与えてくださいましたことに感謝申し上げます。同研究所の大久保理事長、ワルドレン副理事長、寺本常務理事にお礼を申し上げます。中地先生(放射線生物学・分子疫学部長)、放射線生物学・分子疫学部のすべての皆様が快くご協力くださったことに対して、お礼を申し上げます。最新の分子生物学の異なった手法を学んだり、多くの論理的な疑問を理解したりするうえでご支援をいただいた江口先生(放射線生物学・分子疫学部研究員)にも心からお礼を申し上げます。
 私は、研修で、培養細胞、血清、塗沫標本及び抽出DNAやRNAを使用し、PCR、RT PCR及び配列決定を行いました。これは大変興味深いものであり、ロシアでの私の研究に大変有益なものでした。
 新しい知識と実践的な手法は、私達の研究を大幅に進展させ、チェルノブイリの大惨事後に苦しむ癌患者等の生活の質を改善するうえで役に立つと確信しています。

ロシアでの医療活動:

 私は、ロシアのオブニンスク市にある放射線医学研究センターの上級研究員です。
 同センターは、放射線生物学、放射線医学、放射線被曝者の治療に関して、ロシアで有数の研究所です。
 私が勤務する放射線生物化学部の研究活動は、人体の腫瘍学的疾患、特にチェルノブイリ事故後に苦しむ患者の癌についての適時診断や治療、予防のための新しい手法の開発に関わるものです。
 現在、私は子宮頸部癌におけるヒトパピローマウィルスの働きの調査に関わっています。放射線治療への反応に対する、ウィルス量と高い発がんリスクを示すタイプのヒトパピローマウィルス(HPV)DNAの身体状況の影響を推定し、子宮頸部癌患者の再発の早期発見のための指標として、血清HPV・DNAの有用性を評価しています。